この作品は、「秩序」に見えるものが、実は「ノイズの集合体」であるという視覚体験に焦点を当てている。
180×90cmの板に蛍光塗料で描いた作品を5枚制作し、それらを一度バラバラに切断。その断片を用い、さらに再構築するというプロセスを経て生まれた構成物である。破壊と再構築の繰り返しのなかで、形や意味は一貫性を失いながらも、どこかで再び結びついていく。
クラブカルチャーの中で出会ったブラックライトと蛍光塗料の表現、そして即興性のあるライブペイントの体験が、このシリーズのベースにある。光の質や見る角度によって印象が変わるため、観る者の視点が常に揺らぎ、思考が一時停止する。その“視覚の迷子”の状態が、逆に今この瞬間への集中を生み出す。
作品に意味を求めようとする思考と、形がただ「ある」ことの感覚。
その間を漂いながら、観る人はそれぞれの「ノイズから秩序」を見出していく。
その間を漂いながら、観る人はそれぞれの「ノイズから秩序」を見出していく。

